三重県の亀山市に本社を置き、輸送だけでなく、事業領域を拡大した企業5社をグループ化。総合物流グループとして独自の成長を遂げていらっしゃる、株式会社日商様。常識にとらわれない提案型の物流サービスで、時代の流れに対応しながら進化していく活動理念や、UDトラックスQuon(クオン)導入のいきさつを、当社の小岸が社長の稲田様にお伺いしました。
総合物流グループを展開し多角的な事業拡大で信頼構築
(小岸) まずはじめに、御社の事業内容について、特に大型トラックを使った稼働状況についてもお聞かせください。
(稲田) 当社の事業は、基本的に輸送・倉庫・自動車整備・人材派遣・業務請負です。付帯事業として、飲食関係・ガソリンスタンド専門の請負業や障がい者福祉事業、スポーツジム運営など。ただ事業の9割は、倉庫や自動車整備を含めた物流業と人材業などです。輸送の多くは幹線輸送。大手宅配会社の積荷や自動車部品、飲料や食品関係です。三重県を中心に、関西・関東間を主要エリアとして、グループ約550台のトラックが、毎日往復しています。その運行を担うのが、Quonの大型ウイング車です。
創業のころから取引開始UDの機動力で急成長
(小岸) 創業してしばらくの間は、大変なご苦労や不安な日々を過ごされたと伺っております。当時のいきさつなどについて、ぜひ詳しくお聞かせください。
(稲田)25年ぐらい前の話です。当時私は32歳で、役職は専務でした。そのころの当社は小規模で新車を買う資金余力もなく、どこに掛け合っても売ってはくれませんでした。仕方なく、中古車両を購入し凌いでいました。そんなとき、あるトラックディーラーを訪問した際に、社長と意気投合することがありました。「あなたの会社は必ず伸びる」「応援しますから、頑張って商売を続けてください」と言われ、初めて新車を売ってくれたのです。実績の少ない運送会社を見込んで、手を差し伸べてくれたのが、日産ディーゼル三重販売でした。本当にありがたかったですね。そこから新車を徐々に増やし、経営を右肩上がりにしていきました。当時の恩返しの意味も含めて、これからもU D さんに協力を仰ぎ、成長し続けていきたいと思います。
(小岸) 創業当時の営業担当も、御社との信頼関係を築くなかで重要な存在だったと伺っています。
(稲田) そうですね。当時の営業担当の方も物腰が柔らかく、非常にマメな性格で丁寧な方でした。そこで当社とUDトラックスの関係性がより深まりました。その後、2004年に初代Quonが登場。以降、UD車両の性能もどんどん良くなり、当社のドライバーも新車が納入されるたびに喜んでおり、現場環境も含めてさらに良い関係が今も続いています。
(小岸) UD車両を古くから多くご愛顧いただき誠にありがとうございます。累計300台ほどの、多くの台数を納入させていただきましたことに感謝いたします。
ダイバーシティ経営の推進女性活躍と価値創造を目指す
(小岸) 女性ドライバーの積極採用をはじめ、従業員の女性比率もかなり高いと伺っています。女性の活躍推進に積極的に取り組まれている背景や、課題などをお聞かせください。
(稲田) 女性雇用については非常に重要な課題と考えています。全国のトラックドライバー約80万人のうち、女性は2〜3%しかいないと言われています。当社は、この人手不足の中、2〜3%では少ないということで最低でも10 %を目指したく、女性ドライバーの積極採用を進めています。今は、最高速度規制や法整備が施行されトラックの運転が非常に安全になってきています。加えて、UDの扱いやすいミッション・ESCOTなど、女性ドライバー参入のハードルが劇的に低くなっています。そうした要因も後押しして、多くの女性に活躍してもらいたいという思いで取り組んでいますが、残念ながら我々の当面の目標である10%には届かず、現在は9%弱に留まっています。
(小岸) ドライバー以外でも女性の雇用がかなり進んでいるとお聞きしました。
(稲田) トラック運行はドライバー以外のスタッフの力も借りないと、毎日の稼働は成り立ちません。例えば、車両やドライバーのシフトを効率よく組み立てる運行管理者は、積極的に女性の雇用を進めています。現在、管理職・役職者に関しては社内の約20%が女性です。内勤者まで範囲を広げると、約30%に至ります。多様性を重んじる当社の職場では、女性の社会進出がかなり進んできていると実感しています。