Quonウイング車の配備で
幹線輸送の先陣を切る。

 

株式会社日商様(三重県亀山市)

登場人物(2025年11月取材当時)

株式会社日商 代表取締役社長 稲田 一輝様

UDトラックス株式会社 三重地域営業部 カスタマーアドバイザー 小岸 照生

2019年に2代目社長として就任され、現在6年目に入る。就任後も、M&Aでグループ会社を増やしていき、付帯事業で雇用の創出を生み出している。人材力を強みとした経営方針に特化し、提案型のビジネスで次々とチャレンジ。トラック輸送を核としながら、総合物流グループとして急成長している。

カスタマーアドバイザー(CA)の小岸。歴代の営業担当を引き継ぎ、日商様の担当になって10年目に入る。納車するのは主に、Quon CG 4軸 低床車、架装はウイング仕様。新車や中古車を含めて、日商様の要望を一括管理し、短納期を実現するスムーズな納車体制を心がけている。

三重県の亀山市に本社を置き、輸送だけでなく、事業領域を拡大した企業5社をグループ化。総合物流グループとして独自の成長を遂げていらっしゃる、株式会社日商様。常識にとらわれない提案型の物流サービスで、時代の流れに対応しながら進化していく活動理念や、UDトラックスQuon(クオン)導入のいきさつを、当社の小岸が社長の稲田様にお伺いしました。

 

総合物流グループを展開し多角的な事業拡大で信頼構築

(小岸) まずはじめに、御社の事業内容について、特に大型トラックを使った稼働状況についてもお聞かせください。

(稲田) 当社の事業は、基本的に輸送・倉庫・自動車整備・人材派遣・業務請負です。付帯事業として、飲食関係・ガソリンスタンド専門の請負業や障がい者福祉事業、スポーツジム運営など。ただ事業の9割は、倉庫や自動車整備を含めた物流業と人材業などです。輸送の多くは幹線輸送。大手宅配会社の積荷や自動車部品、飲料や食品関係です。三重県を中心に、関西・関東間を主要エリアとして、グループ約550台のトラックが、毎日往復しています。その運行を担うのが、Quonの大型ウイング車です。

 

創業のころから取引開始UDの機動力で急成長

(小岸) 創業してしばらくの間は、大変なご苦労や不安な日々を過ごされたと伺っております。当時のいきさつなどについて、ぜひ詳しくお聞かせください。

(稲田)25年ぐらい前の話です。当時私は32歳で、役職は専務でした。そのころの当社は小規模で新車を買う資金余力もなく、どこに掛け合っても売ってはくれませんでした。仕方なく、中古車両を購入し凌いでいました。そんなとき、あるトラックディーラーを訪問した際に、社長と意気投合することがありました。「あなたの会社は必ず伸びる」「応援しますから、頑張って商売を続けてください」と言われ、初めて新車を売ってくれたのです。実績の少ない運送会社を見込んで、手を差し伸べてくれたのが、日産ディーゼル三重販売でした。本当にありがたかったですね。そこから新車を徐々に増やし、経営を右肩上がりにしていきました。当時の恩返しの意味も含めて、これからもU D さんに協力を仰ぎ、成長し続けていきたいと思います。

(小岸) 創業当時の営業担当も、御社との信頼関係を築くなかで重要な存在だったと伺っています。

(稲田) そうですね。当時の営業担当の方も物腰が柔らかく、非常にマメな性格で丁寧な方でした。そこで当社とUDトラックスの関係性がより深まりました。その後、2004年に初代Quonが登場。以降、UD車両の性能もどんどん良くなり、当社のドライバーも新車が納入されるたびに喜んでおり、現場環境も含めてさらに良い関係が今も続いています。

(小岸) UD車両を古くから多くご愛顧いただき誠にありがとうございます。累計300台ほどの、多くの台数を納入させていただきましたことに感謝いたします。

 

ダイバーシティ経営の推進女性活躍と価値創造を目指す

(小岸) 女性ドライバーの積極採用をはじめ、従業員の女性比率もかなり高いと伺っています。女性の活躍推進に積極的に取り組まれている背景や、課題などをお聞かせください。

(稲田) 女性雇用については非常に重要な課題と考えています。全国のトラックドライバー約80万人のうち、女性は2〜3%しかいないと言われています。当社は、この人手不足の中、2〜3%では少ないということで最低でも10 %を目指したく、女性ドライバーの積極採用を進めています。今は、最高速度規制や法整備が施行されトラックの運転が非常に安全になってきています。加えて、UDの扱いやすいミッション・ESCOTなど、女性ドライバー参入のハードルが劇的に低くなっています。そうした要因も後押しして、多くの女性に活躍してもらいたいという思いで取り組んでいますが、残念ながら我々の当面の目標である10%には届かず、現在は9%弱に留まっています。

(小岸) ドライバー以外でも女性の雇用がかなり進んでいるとお聞きしました。

(稲田) トラック運行はドライバー以外のスタッフの力も借りないと、毎日の稼働は成り立ちません。例えば、車両やドライバーのシフトを効率よく組み立てる運行管理者は、積極的に女性の雇用を進めています。現在、管理職・役職者に関しては社内の約20%が女性です。内勤者まで範囲を広げると、約30%に至ります。多様性を重んじる当社の職場では、女性の社会進出がかなり進んできていると実感しています。

多様性(ダイバーシティ)を重んじ、働きがいのある職場づくりを進める株式会社日商様。「夢を抱いて輝こう」という企業理念の下、スポーツ選手や学生インターンシップの受入れ、水耕栽培事業による障がい者雇用の推進など、誰もがやりがいを持って働ける環境と、自分らしく輝けるキャリア形成支援を行っている。

女性ドライバーの積極採用など、従業員の女性比率がかなり高いのも特長。資格試験がある運行管理者にも、積極的に女性を登用。疲労の大きい長距離大型トラックの安全管理と、安全運行に必要なドライバーの勤務調整を細かく行い、毎日の稼働を支えている。

雇用を守るから雇用の創出へUDトラックスが伴走支援

(小岸) 最後になりますが、現状で抱えられている御社の経営課題や、これからの会社成長の展望などについてもお聞かせください。

(稲田) 世の中では少子高齢化、人材不足と言われて久しく、これはもう紛れもない事実です。しかし、人手が足りないという課題の本質は、立ち戻って考えれば企業としていかに魅力を高められるかということに尽きると思います。この会社で働きたいという人気度です。運送会社で働くならば、やはり日商を選びたい、と思ってもらえるかどうか。運送業でなくても、多種多様な職種があるこの日商という会社で働きたいという人たちがどれだけ集まるのか。ただ単に生活の糧として働くだけでなく、生き甲斐、働き甲斐を得られる企業になることが最も重要なポイントであり、多様性・働きやすさ・社風・成長性・将来性なども含めて目指すべき指標だと思っています。それらをきちんと遂行し、経営者として健康経営への努力をしていくべきだと私は思います。

(小岸) UD車両を長くそして多くご購入していただき誠にありがとうございます。またUDトラックスの創立90周年に関し励みになるお言葉を賜り、重ねて御礼申し上げます。これからも共に歩む日商様のビジネスのさらなるご成功とご発展に向けて、新型車両のご提案やお役に立てる情報をいち早くご用意し、経営課題解決のお手伝いができましたら幸いです。稲田様、本日は誠にありがとうございました。

UDトラックス創立90周年に向けた

お客様からのメッセージ

UDトラックス創立90周年、おめでとうございます。なにしろ90年ですから、当社からすれば大先輩です。ただし、業界の視点で見るとトラックメーカーとしては新参であるという見方もできると思います。2.5t積のトラックから始まり、大型トラックの土俵で試行錯誤を重ね続けて、今までの90年間に様々な歴史があったと思います。その間、きちんとUDトラックスとしての哲学で車両を提供し、絶え間なく変化を続け成長してきたその「多様性」に、私たちはリスペクトを感じます。物流会社の後発としても、非常に参考になりますね。当社は1989年の創業以来、物流業界の常識に囚われず、失敗を恐れず、常に新しい発想を持ち、刻々と変化する時代の流れに対応しながら進化をしてきました。その中で特に大切にしてきたのは、「多様性」の考えです。だからこそ様々に変化していく世の中になっても、UDトラックスがどのように生き残る経営を続けるのかという、その挑戦をつぶさに観察し参考にして、商売を続けさせていただきたい。そして、それらを大いに励みにして、前に進んでいきたいと考えています。

株式会社日商 :1989年創業。運送業をはじめ倉庫管理や自動車整備、人材派遣や業務請負などの各事業を幅広く展開。5つのグループ会社を持ち、多種多様な事業から培ったノウハウが「強み」。運送事業では、関西や関東へ、大型ウイング車を使った長距離の幹線輸送を中心に、様々なニーズに応えている。

三重県亀山市布気町550番地4