大型トラックの購入後、故障による稼働停止や高額な修理費用に悩んでいませんか。
実は、メンテナンス・アフターサービスの質が運営コストを大きく左右します。
本記事では、メンテナンス・アフターサービスの重要性から各メーカーの取り組みまで詳しく解説します。適切なパートナー選びで、安心・安全な運営を実現できるでしょう。
この記事でわかること
- メンテナンス・アフターサービスがトラック稼働率に与える影響
- 国・地域・メーカーごとの整備インフラの違い
- UDトラックスが提供する差別化された車両サポート戦略
こんな人におすすめの記事です
- トラックの導入や入れ替えを検討している運送会社の経営者・車両管理担当者
- 故障トラブルや部品待ちによる稼働損失に悩んでいる現場責任者・整備部門の担当者
- グローバル展開する運送・物流企業の調達・戦略担当者
メンテナンス・アフターサービスは「トラック選定の新基準」になっている

世界の物流業界でドライバー不足が深刻化する中、トラックの稼働率向上が企業の生命線となっています。突発的な故障による車両の稼働停止は、限られたリソースをさらに圧迫するでしょう。
なぜ今、整備体制が重要視されているのか
世界の物流業界では深刻な人材不足により、限られたリソースでの効率的な運用が求められています。
日本においては、トラックドライバー数が1995年以降減少を続け、2015年から2030年にかけて約30%の減少が予測されています。同時に、1運行あたりの荷待ち時間だけでも平均1時間45分(3割の現場では2時間超)という現実があり、実車稼働率の低下が課題となっているのです。
このような状況下で、突発的な車両故障による稼働停止は、少ないリソースをさらに圧迫し、現場に大きな負担をかけます。予防を目的としたメンテナンス計画を整えることで、無駄なダウンタイムの減少が可能になり、限られた人材と車両を最大限活用できるのです。
トラックの「弱点」とメンテナンス戦略

大型トラックには故障しやすい部位があり、それらを理解した戦略的なメンテナンスが重要です。予防を目的としたメンテナンスと事後の修理対応では、コスト面で大きな差が生まれます。
故障しやすい部位とその原因
大型トラックで最も故障しやすいのはタイヤ関連であり、適切な点検が重要です。
関東運輸局の調査によると、高速道路走行時における部位別故障率は「タイヤ」が49.0%に達しており、一般道路でも32.1%という高水準となっています。タイヤの故障はパンクやバースト、空気圧不足が主な原因となります。
次に多いのがエンジン・駆動系です。これらは整備が遅れると潤滑油不足などの二次トラブルを引き起こし、修理費用も高額化します。
さらに、冷却・電装・ブレーキ系のトラブルも注意が必要です。とくに冷却水漏れやECUトラブルは、過酷な使用やメンテナンス不足が直接リスクにつながるため、計画的なメンテナンスが欠かせません。
予防メンテナンスと事後修理対応のコスト比較
予防メンテナンスに取り組むことで、大幅なコスト削減が可能です。
トラック運送業における調査では、計画的な予防メンテナンス1回あたりの費用は約200〜400ドルであるのに対し、突発的な故障の修理対応では600〜3,600ドルと最大9倍近くかかるケースがあります。さらに、故障による稼働停止は1日あたり約448〜760ドルの損失をもたらし、年間では1台あたり数千〜数万ドル規模の機会損失となる可能性があるのです。
実際、適切な予防メンテナンスを継続することで故障率を最大70%低減し、車両寿命を20%延長できるとの報告もあります。結果として、年間の車両維持コストは20〜30%削減され、稼働率の向上にもつながるでしょう。
各国・各メーカーの整備体制
世界の大手トラックメーカーにおいて、整備体制には大きな違いがあります。グローバル展開力や最新技術の導入度合いが差別化要因となっています。
グローバルディーラーネットワークの構築
欧州系メーカーは世界規模でのサービス網構築に優れています。
Volvo Trucksは、世界130か国に約2,200のサービス拠点を展開しており、どの地域でも一貫した整備サービスを受けられる体制を整えています。北米では400以上のディーラー網と整備拠点を活用し、24時間のサポート体制を確立。迅速な故障対応や計画的なメンテナンスを支える強固な整備インフラを備えています。
Daimler Truckは世界各地に生産拠点とサービス施設を展開し、リモート診断機能付きサービス拠点を有しています。24時間ロードサイド対応も実施しており、グローバルでの一貫したサービス提供が可能です。
Ivecoは世界160か国以上で展開し、5,000の販売・サービス拠点網を構築しています。7の製造拠点と8か所の研究センターを各地域に設置し、地域での整備キャパシティを確保しています。
これらの充実したネットワークにより、どの国・地域でも同等の整備サービスを受けられます。
OEM間連携とサービス統合モデル
メーカー間の連携により、業界全体のサービス向上が図られています。
VolvoグループとDaimler Truckは2024年にソフトウェア定義車両OSの合弁会社を立ち上げ、共通の運用・診断プラットフォームを提供する予定です。これにより、メーカー横断的な整備対応と診断が可能な共同基盤インフラの構築が進みます。
また、IsuzuとVolvoグループは戦略提携により、UD Trucksを含む商用車ビジネスで技術・販路・アフターサービス連携を強化しています。業界全体での協力により、効率的かつ総合的なサービス提供が実現されているのです。
UDトラックスの差別化戦略

UDトラックスは独自の戦略により、他社との明確な差別化を図っています。サポート体制、データ活用、充実した整備契約という3つ観点で解説します。
総合的サポート体制
UDトラックスは、全国規模のサービスネットワークと24時間365日のサポート体制で、お客様の安心を支えています。
同社のサポート体制は、高品質な純正部品、専門技術者による整備、緊急時の迅速対応で構成されています。UD純正部品は専用設計により高い性能を実現し、UDロードサポートでは専任コーディネーターが車両情報を瞬時に把握することができるのです。
24時間365日のサポート対応により、突発的なトラブルも迅速に解決できます。
データ活用による稼働サポートシステム
UDトラックスは、車両から送信されるデータを分析し、故障を未然に防ぐサポートシステムを提供しています。
同社の「UDインフォメーションサービス(UDIS)」は、稼働率向上に貢献するシステムです。車両データを分析し、「安心稼働サポート」と「省燃費レポート」を提供しています。
また、ウォーニングランプ点灯時は遠隔診断により迅速にサポートし、故障による長期間の稼働停止を防げます。
充実した整備契約
UDトラックスは、お客様のニーズに合わせて選択できる柔軟な契約プランを提供しています。
同社の「UD-TRUST」は、メンテナンスに関する要望に対応する契約システムです。スタンダードプラン(法定点検と油脂液類交換)とパーフェクトプラン(全整備項目対応)の2つの基本プランに加え、予防整備パックなどのオプションを自由に組み合わせることが可能です。
また、UD-TRUSTと連携したリースサービスも利用でき、メンテナンスにかかわる支払いをまとめられるメリットは大きいでしょう。
まとめ:“メンテナンス”で差がつく時代、選ぶべきは“支え続ける”パートナー
大型トラックにおける計画的な予防メンテナンスの重要性について解説しました。
いかに突発的な故障を予防できるかが稼働率と運営コストに大きく左右します。データ活用による予防保全、充実したサポート体制、柔軟な契約オプションを持つパートナーを選ぶことで、安心・安全な運営を実現できるでしょう。
メーカーによるサポート体制を比較検討し、長期的に信頼できるパートナーかどうかを見極めてみてください。