事業拡大の経営課題と
ドライバー不足の解決を図る。


株式会社コトー様(静岡県浜松市西区湖東町)

 

登場人物(2022年3月取材当時)

株式会社コトー 取締役 荒木 義仁様

UDトラックス株式会社 中部支社 フリート営業部 カスタマーアドバイザー 稲田 宣揚

株式会社コトー 取締役の荒木様。司企業株式会社のグループ会社となったことで、全国への物流ネットワークの拡大、レベルの高い安全教育の実現など、独自の視点で経営基盤の拡充に尽力されている。

中部支社 フリート営業部 カスタマーアドバイザーの稲田。株式会社コトー様にお伺いしてから、はや18年目。UDトラックス車両の導入も着実に増え、その実直な営業アプローチには定評がある。

創業66年にわたり長い歴史を築いてきた輸送会社、株式会社コトー様。静岡県を中心に、全国の自動車部品メーカーや機械メーカーなど、数多くの大手企業と直接取引をしています。同社が選ばれてきた経緯や、昨年末、Quon(クオン)のUDアクティブステアリング搭載車を導入した理由について、当社の稲田が、取締役の荒木様にお伺いしました。

 

3つの経営課題を克服して経営の基盤を拡充したい

(稲田) 普段は取締役として手腕を発揮されている荒木様ですが、経営課題として特に重要な案件はございますか?

(荒木) 弊社として取り組むべき項目は3つあると思っています。①は「2024年問題」の残業規制が入ること。②はカーボンニュートラルの実現。③はSDGsへの取り組み。この3本柱が今後対応していくべき重要課題ですね。

(稲田) 各取り組みへの方法として、もう少し具体的にお聞きしたいのですが。

(荒木) まず②のカーボンニュートラルに関しては、環境問題で脱炭素化が加速しているので、古い車両をなるべく新しい車に切り替えています。脱炭素化を目指したメーカーさんの新車両を積極的に導入している段階です。もちろんアイドリングストップや適正スピードでのエコドライブは今まで通りです。政府としての達成目標は2050年までですが、司企業グループとしては2030年までのカーボンニュートラル実現を目指しております。③のSDGsに関しては、持続できるよう体制を整えていきたい。これは①の「2024年問題」と非常に関連すると思いますが、やはりドライバー不足というのが大きな課題となっています。中途入社のベテランドライバーさんを待っていても、現実は非常に厳しい。それであれば、社内で新しい人材を教育して育て上げることを目指せばいい。若手の新人が積極的に入社したいと思える労働環境を整備している段階です。UDトラックスさんは、未経験でもトラックの運転がしやすい車両をつくっていただいているので、運転操作のハードルはかなり低くなっていると思いますね。

 

グループ傘下に入ってからのビフォー&アフター

(稲田) 御社は2018年にM&Aで、同じ輸送会社の司企業株式会社様のグループとなりました。司企業様から御社の取締役に就任された荒木様ですが、就任後に企業の磨き上げとして取り組まれたことは何かございますか?

(荒木) 株式会社コトーは、創業66年の実績の中で培われた確かな経験と、お客様からいただいている大きな信頼が強みになっていたので、その部分は変える必要はないと思いました。やはり従業員さんが働いていて良い会社だと思えるような環境づくりの部分で、テコ入れを図りました。

(稲田) さまざまな認証や認定を、ここ数年間で一気に取得されていますね。

(荒木) 具体的には、職場環境の向上として「健康経営優良法人2021」の認定、「働きやすい職場認証制度」の認証事業者としての登録、仕事と家庭の両立支援として「子供の出産時における男性の育児休暇の取得促進」など。時代の変化に対応できる企業として、他の輸送会社さんと差別化を図るためにも非常に有利になると考え、私がGOサインを出しました。

男性陣が多い職場の中で、トラックドライバーたちを支える女性従業員の面々。フォークリフト操縦士として活躍する女性も多く、男女を問わず頑張って仕事をすれば認めてもらえる企業でもある。

「最適物流の創造」こそが企業としての地域貢献

(稲田) ホームページを拝見しましたが、経営目的に「最適物流の創造」とあります。その辺りをもう少しご教示ください。

(荒木) とにかく企業のあるべき姿というのは地域貢献だと思っています。輸送会社は商品を運ぶという前提のもとに道路を使用しています。ただ道路は、弊社の所有物でもなく、公共物ですね。公共のものを使って輸送の仕事をしている以上、会社としては、自分たちだけが儲かるというのはよくありません。黒字になり経営が成り立って、それを税金で還元するのがあるべき姿と考えています。加えて、お客様から言われた方法やシステムで運ぶのが一番簡単ですが、それが最適ではない場合もあります。弊社が仕事を受注することで、お客様にも最適なメリットを提供できるのが、私たちが目指している最適物流なんですね。先ほどのカーボンニュートラルの課題にも繋がりますが、積載効率が悪いトラックを走らせて排気ガスを余計に排出してしまうのは、輸送会社として避けるべきです。効率を良くして、道路を走る車両数はできるだけ少ない方がいい。それが炭素を少しでも出さないということにも繋がります。最適物流を目指す取り組みのすべてが、最初に挙げた3つの課題とすべてがリンクしています。

(稲田) 社業を通じて市民としての良識を持ち、常に新しい価値の創造に挑戦されています。感謝の気持ちを忘れず、何事にも前向きに取り組み、社会に貢献することが肝要ですね。よく分かりました。

 

ドライバー採用の間口を広げるUDアクティブステアリング

(稲田) 昨年末にUDアクティブステアリング搭載車を納車させていただきましたが、その後のご評価はいかがでしょうか。

(荒木) 「今までのステアリング感覚とは全然違うよ」という声は届いています。今後ますますドライバーを志望する方が減っていくなかで、経験の浅い方でも積極的に入社を希望する環境をつくっていかなければいけません。個人ごとの運転スキルに依らず、スキルの不足を補ってドライバー採用の間口を広げるため、そして企業として私たちが生き残るためにも、積極的に導入していきたいと思っています。UDアクティブステアリングは、そういう意味でも運転技術のハードルをさげるための必須条件になっていくと思います。今後も、積極的に導入していきたいシステムですね。

(稲田) コトー様に納入させていただいたのは、Quon8Lエンジン搭載車です。登り坂でも11Lエンジン搭載車と遜色のない余裕の走りと高い積載性を両立し、そこにUDアクティブステアリングを組み込んだ完成車を納めさせていただきました。ドライバー採用のアプローチとしても大きな一手となりますので、一度導入いただきたいというプレゼンをさせていただきました。

輸送の安全と品質が保たれ、ドライバーのストレスが軽減される、Quonの最新コクピット。UDアクティブステアリング搭載車は、従来のトラックの常識を覆すほどインパクトのある機能だと高評価をいただいている。

企業の事業力強化に貢献するUDトラックスのサポート

(稲田) 現在納入させていただいている弊社の車両は、30台ほどです。まずは企業の動きを良くすることに貢献するのが、私の提供するサービスだと考えています。ドライバーさんや従業員の方々が本来の業務に集中できるように、トラックの稼働を止めないご提案を行うのが、私たちUDトラックスの責務です。トラックはどうしても機械ですので、修理作業などは必ず発生しますが、発生した際にどう素早く対処するかというのが、私たちの仕事で重要なポイントです。レスポンスよく整備工場と連携して対応するように、常に心がけています。

(荒木) フットワークが良くて、とにかく対応が早く助かっています。安心できるのが一番大きいかなと思っています。売りっぱなしの意識じゃないということが、行動から伝わります。整備点検に対しても、アフターフォローの部分でも、とにかく素早いですよ。やはり弊社が一番求めているのが、稼働を止めない車両なのですが、積み荷を載せたトラックに万一の事態が発生すると、お客様にも大変ご迷惑をかけてしまう。その分信頼できる営業マンさんやメーカーさんがいると、本当に頼もしい限りです。

(稲田) 修理等の点検入庫を定期的に行い、全車両のメンテナンスを管理して、株式会社コトー様には負担がかからないよう万全の体制を取らせていただいています。引き続きユーザー講習会・燃費講習会・安全運転講習会などをご提案しつつ、事業力強化に貢献するためのさまざまな情報を提供させていただければと思います。本日は誠にありがとうございました。

株式会社コトー

1956年創業。静岡県を中心に、全国各地への一般運送業務や大手自動車部品メーカーの納入代行業務、自社倉庫での在庫管理などの直接取引を幅広く展開している。同社が長年選ばれてきた理由は、お客様の依頼に親身になって応える、小回りの利く対応が評判となっているとのこと。

静岡県浜松市西区湖東町3506-1