ご好評をいただいた先代ビッグサムの高い技術をフルに活用しながらもゼロからの再設計を行い、当社のフラッグシップとなる大型トラッククオンを2004年に市場に登場させるに至った。発売当時、電気系統、安全面、環境面において世界初ともなる革新性をもつ、さまざまな最先端技術がクオンに組み込まれていた。特に高い評価を得たのが環境対応技術である。
日本では、2005年を目標に新長期排出ガス規制が設定されたが、あまりに厳しい目標のため、業界では達成は不可能と考えられていた。これに対して、当社は排出ガスの浄化装置にトラックでは世界初となる尿素SCRシステム「FLENDS」を採用することで、環境性能と燃費性能を大幅に高め、新長期排出ガス規制適合車を施行の1年前に実現した。エンジンには、ユニットインジェクターを採用したGEエンジンシリーズを搭載、最高モデルは410馬力となっている。
斬新なデザインを採用した新キャビンは、風洞実験を繰り返して空力性能を大幅に向上させた。 さらに、お客様の車に乗せていただく同乗調査をもとに、長時間運転しても疲れない快適な空間の確保、操作しやすいラウンドコックピットを採用し、助手席シートの座面をはねあげることで立って着替えができるなど、きめ細かい工夫が凝らされている。 安全面でも、キャビンの剛性の向上や世界で初めてのニーエアバッグの採用、衝突被害軽減ブレーキの標準採用などの機構を導入している。 音声アシスト機能やインターネットを利用したリモート確認機能といった多くのIT駆動型機能が、大型トラックを次世代のスマート車両へと変えた。