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再発防止委員会による再発防止策の提言

2009.07.14 | 印刷

2009年7月14日

別紙


1 役職員による他社株式取引に関する規制 
  本件発生当時と異なり、現在、当社の発行済株式の全てはボルボ社及びそのグループ会社によって保有され、非上場となっていることから、当社において、今後、本件のような自社株式の取引が行われる可能性はない。しかしながら、他の上場会社等の株式について、本件と同様の取引が行われる可能性は否定できないことから、役職員による他社株式取引に関する規制について検討する必要がある。 
現在、当社のインサイダー取引防止管理規程においては、他社株式についてインサイダー取引の禁止を明言しているものの、これを担保する制度的な裏付けがない。そこで、不適切な株式取引を防止するため、当該規程を改訂して以下のような制度を導入することを提言する。 
   
(1) 役員による他社株式取引に係る事前届出制の採用
  当社全役員について、他社株式の取引に当たり、その発注の2営業日前までに法務室へ届け出ることを義務付け、もって、当社役員が不適切な株式取引を行うことについて抑止力を働かせるべきであると思料する。
   
(2) 全従業員による親会社及び主要取引先の株式取引に係る事前届出制の採用 
  当社の全従業員について、当社の親会社及び主要取引先(いずれもわが国又は外国における上場会社に限る)の株式取引について、その発注の2営業日前までに法務室へ届け出ることを義務付け、もって、当社の従業員が不適切な株式取引を行うことについて抑止力を働かせるべきであると思料する。

2 役職員研修・教育、人事評価体制の改善

  当社では、従前より新入社員に対して一般的なコンプライアンス研修を行っている他、専務取締役以上の常勤取締役を構成員とするコンプライアンス委員会の場や、部長会の場(管理職以上の者約120名が対象)において、インサイダー取引規制の解説を行うなどの取組みを行っているものと認められる。しかしながら、本件は、元役員及び元従業員のコンプライアンス意識の欠如が重要な発生原因の1つとなったと考えられることから、コンプライアンス意識の涵養のため、役職員の研修・教育、人事評価等について、以下のような改善策を講じることを提言する。 
   
   (1) 役職員の研修・教育制度




外部講師等(弁護士等)による定期的な役員に対するコンプライアンス研修会の開催
全役員を対象に、年に2回程度、外部講師等を招いてコンプライアンス研修会を開催し、定期的に役員のインサイダー取引規制を含む法令知識、情報管理体制及びコンプライアンスの重要性の認識の向上を図るべきであると思料する。
②  新任役員に対するコンプライアンス研修の実施
  新任役員を対象に、役員に選任された後速やかに、インサイダー取引規制や情報管理のテーマを含んだ外部講師等によるコンプライアンス研修を行い、役員のインサイダー取引規制の正しい理解及び情報管理の重要性の認識の向上を図るべきであると思料する。
 ③ 従業員に対する定期的なコンプライアンス研修の実施
   
  全従業員を対象に、インサイダー取引規制に違反した場合、如何なる重大な事態を引き起こすかという点につき十分な認識を持たせることを目的として、年に3回程度、インサイダー取引規制を含む法令についてコンプライアンス研修を実施し、全従業員に3回のうち少なくとも1回の受講を義務付け、更に理解度チェックのためのテストを合格するまで実施するなどして、インサイダー取引規制に関する従業員の意識の向上を図るべきであると思料する。

(2) 人事評価制度

    従業員のインサイダー取引規制を含む各種法令の理解度・コンプライアンス意識をこれまで以上に人事評価上重視し、従業員の法令の理解・コンプライアンス意識の向上を促すと共に、必要に応じて従業員に個別指導をするなど、インサイダー取引を含む法令違反の未然防止に役立てるべきであると思料する。 

(3) 懲戒制度

    インサイダー取引防止管理規程を改訂し、同規程に違反した役員に対して、コンプライアンス委員会が、辞職又は報酬の返上の勧告をできることを規定すべきであると思料する。また、同規程に違反した従業員については懲戒処分の対象となることを、就業規則及び関連規程上、明示すべきであると思料する。

3 コンプライアンス体制の充実強化

    本件の直接的な原因は、当社の従前の役職員による株式取引の規制に不十分な部分が見られたこと、元役員及び元従業員のコンプライアンス意識の弱さに存したと考えられる。 
上記の本件の発生原因に直結するものではないものの、当社のコンプライアンス体制一般を充実させることは、同種の法令違反行為等の再発防止に役立つものと考えられる。このような見地から、当社コンプライアンス体制の全般的な充実強化につき、以下の提言を行う。

(1) コンプライアンス委員会の充実強化

  当社は、従前より、専務取締役以上の常勤取締役及び常勤監査役を構成員とするコンプライアンス委員会を設置し、相当程度の頻度で会合を行う等しているが、その社内における位置付けは、必ずしも明確ではなかったものと考えられる。 
今後は、同委員会につき、当社におけるコンプライアンス体制の中核を担うものとしてその位置付けを明確化すると共に、その権限及び責務についても充実強化し、コンプライアンスに関する各種社内規程の企画立案、コンプライアンス関連事案に関する調査及びその結果に基づく役職員の処分等をその権限及び責務として明確に規定すべきであると思料する。また、コンプライアンス委員会の組織的な体制としては、従前より、社長が委員長を務めていたところであるが、コンプライアンスの強化を全社的な方針と位置付けることから、社長を委員長とする点については特に変更も加えず、他方で、実務面の体制強化のため、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(以下「CCO」という)を以て副委員長に充て、CCOがコンプライアンス委員会の実務面を統轄管理すべきであると思料する。更に、CCOを窓口として、コンプライアンス委員会と、内部監査室及び従前より同委員会の事務局を務める法務室との連携関係をより一層強化し、コンプライアンス委員会が従前にも増して充実した活動を行うことのできる組織的環境を整えるべきであると思料する。 
   
(2) コンプライアンス委員会の定期的開催のルール化 
  当社コンプライアンス委員会は、従前より、相当程度の頻度で開催していたが、定期的開催を義務付けられてはいなかったと認識している。コンプライアンス体制の充実強化のためには、コンプライアンス委員会が定期的に開催されることが望ましいと考えられるので、今後は、社内規程を改訂し、コンプライアンス委員会の定期的開催(原則として2ヶ月に1回)をルールとして定めるべきであると思料する。
   
 (3) コンプライアンス関連部署における人員体制の充実・強化
  従来の当社においては、会社の規模に照らし、法務室及び内部監査室といったコンプライアンス関連部署の人員は、同規模のメーカーと比較して、相当程度不足していたと考えられる。今後は、コンプライアンス体制を充実強化するための人的基盤を整えるため、法務室及び内部監査室等の人員強化並びにこれら各組織間の連携強化を図るべきであると思料する。
   
(4) コンプライアンス委員会の法令違反行為等についての調査権限及び責務の明確化 
  インサイダー取引規制違反を含む法令等違反行為又はその兆候を示す事実が発覚した場合において、当社内における適切な対応を可能とするため、コンプライアンス委員会がかかる法令違反行為等に関する事実確認及び調査の権限及び責務を有することを、社内規程において明記すべきであると思料する。また、コンプライアンス委員会によるかかる事実確認及び調査の実効的遂行のため、コンプライアンス委員会の実務面を統括管理するCCOの指揮の下、同委員会の事務局を務める法務室をして、かかる事実確認及び調査の実働部分を統括せしめるべきであると思料する。
また、かかる調査の対象となる役職員等は、調査に対する協力義務を負うことを社内規程上明記すべきであると思料する。
   
 4 役員選任プロセスの透明化及び客観化 
  本件は、元役員及び元従業員の個人的な行為による不祥事という側面が強いと評価することができ、その意味では、役員に関しては、当社における役員選任過程に問題があったとも考えられる。そこで、役員候補者についていわゆる360度評価を実施し、かかる評価結果を踏まえて複数名での議論・検討を行うなど、役員選任プロセスの透明化・客観化を図ることを検討すべきであると思料する。

以上

[参考]

再発防止委員会委員名簿  
       
委員長 坂上 優介 当社取締役副社長/チーフ・コンプライアンス・オフィサー  
委 員 棚橋 元 森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士/当社社外監査役  
委 員 太田 洋 西村あさひ法律事務所パートナー弁護士  
委 員 尾崎 恒康 同 上  
      以上

以上